毎日、精神科での業務本当にお疲れ様です。
1日の終わり、重い足取りで帰宅しながら
「もう限界かもしれない」「このまま精神科で働き続けていいの?」
と、ひとりで考えてしまうことはありませんか?
精神科は身体的な負担こそ比較的少ない一方で、患者さんの不安や怒り、悲しみを日々真正面から受け止める 「感情労働」の側面が非常に強い現場です。
他科では感じなかった、言語化しにくいしんどさを抱えている方も多いのではないでしょうか。
✅ 患者さんの不安定な言動に向き合い続け、この先も自分のメンタルはもつのだろうか
✅ 身体は楽になったけれど、閉鎖的な環境でキャリアが停滞してしまうのではないか
✅ このまま精神科看護師を続けて、本当に後悔しないのだろうか
実は私自身も、まったく同じように悩みながら精神科で働いていた時期があります。
新卒で精神科病棟に配属され、「このままではスキルが身につかない」と焦り、 精神科を離れる決断をしました。
しかし、一般科を経験して初めて「精神科看護の価値を、きちんと理解しないまま辞めてしまった」ということに気付きました。

筆者はこれまで、
精神科病棟 → 整形外科病棟 → 健診センター → 回復期リハビリ病院 → 訪問看護・デイサービス → 健診センター → 精神科デイケア(現在)
と、複数の分野を経験してきました。
そのため、 精神科を「続ける・離れる・戻る」それぞれの立場から実体験をお伝えできます。
この記事では、 「精神科看護師を辞めたい」と感じたときに、感情だけで決断して後悔しないために 、私の実体験をもとに辞める前に整理しておくべき3つの判断軸を解説します。
✔ 心身の健康・家庭生活・将来のキャリアを軸にした「続けるor辞める」の判断基準
✔ 精神科を辞めたい本当の理由を整理し、今の自分を客観視する方法
✔ 精神科経験を活かしながら、心にゆとりを持って働ける選択肢
この記事が、「精神科看護師を辞めたい」と悩むあなたが、 後悔のない選択をするための一助になれば幸いです。
➡関連記事:夫に「仕事やめたら?」と言われた夜。限界ナースが精神科で再出発したリアル体験【精神科ナースブログ】
後悔しないための「続けるor辞める」4つの判断基準

精神科ナースとして3年目に一度精神科病棟を離れ、その後およそ8年ぶりに再びこの道に戻りました。
そんな私が「あの時、こう考えればよかった」と今だから思える、後悔しないための判断基準をまとめました。
| 判断軸 | 「続ける・戻る」の目安 | 「環境を変える」検討サイン |
|---|---|---|
| 心身の状態 | 仕事以外の時間は気持ちを切り替え、休めている | 仕事やキャリアへの不安が、プライベートの時間まで占領している |
| 家庭生活 | 家族やパートナーと穏やかに過ごせている | 心に余裕がなく、家族に優しくなれない自分に落ち込む |
| 看護観 | 対話を通じた「全人的な関わり」を深めたい | もっと医療処置をこなしたいという欲求が強い |
| キャリア | 観察力や対人スキルを強みにしたい | 今の環境では、自分が理想とする将来像が描きにくい |
「精神科ではスキルがつかない」というのは、大きな誤解です。
相手の表情のわずかな変化から異変を察知する観察力や傾聴力。
これらは、一般科へ異動したときにも誰にも負けない私の武器になっていました。

一般科へ異動した当初は、医療処置や緊急手術への対応など、スピード感と効率を強く求められる現場に正直ついていくのが精一杯でした。それでも、処置や手技は繰り返し経験を重ねることで、少しずつ身についていきました。
そんな中で先輩から掛けられたのが、「小さな変化によく気づくね」という言葉でした。
患者さんのわずかな違和感に気づけるその感覚は、まさに精神科で培われた力だったのだと、そのとき実感しました。
精神科で積み重ねた経験は、決してあなたのキャリアを止めるものではありません。
精神科看護師を辞めたくなる「本当の理由」3つと、私が後悔したこと

精神科看護師が「もう辞めたい」と感じる背景には、実は多くの人に共通する原因があります。
それは、精神科という職場構造そのものに根ざしたものである場合が多いです。
精神科看護師が辞めたくなる主な理由をまとめました。
①精神疲労によるメンタルの摩耗
②閉鎖的で固定化されやすい人間関係
③スキルが停滞しているように感じるキャリア不安
精神科では、処置や身体ケア以上に人との関わりや心理的サポートがケアの中心になる場合があります。
そのため、一般科とは異なる「目に見えにくい疲労」が蓄積しやすいのが大きな特徴です。
あなたの「しんどさ」当てはまるものはありますか?
① 感情労働によるメンタルの摩耗
✅患者さんの暴言や不安定な言動に日常的に向き合い、心がすり減っていく感覚。
➡仕事上の精神的なストレスを家に持ち帰り、家族に優しくできない自分に自己嫌悪を感じることもあります。
② 閉鎖的で人間関係が固定化された職場環境
✅人事異動が少なく、独特の文化や人間関係から逃げ場がない。
➡「合わない=自分が悪いのでは」と感じ、孤立感を深めてしまうケースも少なくありません。
③ 「この先看護師として通用するのか」というキャリアへの不安
✅採血や点滴などの一般的看護技術が減り、「他では使えない看護師になるのでは」と不安になる。
➡精神科経験が正当に評価されるのか分からず、キャリアが止まっているような感覚に陥ります。

私は新卒3年目で、この③の「スキル停滞感」に耐えられず精神科を離れました。
しかし一般科で働いてみて、 スピードと効率を求められる看護が自分には合わないと気づきました。
患者さんの背景を丁寧に読み取り、関係性を積み重ねていく――
精神科ならではの「全人的な看護」こそが、自分の看護の軸だったと、離れて初めて理解しました。
ここでお伝えしたいのは、精神科を辞めたいと感じることは、決して「あなたが弱いから」ではないということです。
精神科は残業が比較的少く、身体的な負担が軽い反面、人の感情や背景に深く関わり続けることで、知らず知らずのうちに心を消耗しやすい現場でもあります。
だからこそ、続ける中で「もう限界かもしれない」と感じてしまうのは、ごく自然で誰にでも起こりうる心のサインなのです。
まずは「辞めたい理由」を正しく言語化してみてください。
カルテから深く読み取り、信頼関係をじっくり築く。 あの精神科ならではの「全人的な関わり」が、実は自分にとっての看護の醍醐味だったと気づき、わたしは深く後悔したのです。
精神科経験を活かす「ゆとりある働き方」と後悔しない転職戦略

精神科で培った力は、転職先でも確実に評価されます。
大切なのは、「精神科看護師を辞める」前に「環境を変える」という選択肢を知ることです。
精神科で身につく対話力・観察力・傾聴力は、 どんな分野でも通用する看護師としての土台となるスキルです。
ただし、その価値は職場選びを間違えると正しく評価されません。
だからこそ、自分一人で探すのではなく、 精神科経験を理解してくれる「第三者の視点」を取り入れることが重要です。

「精神科の経験って、他では通用しないかも」私もずっとそう思っていました。でも実は応用力のあるスキルでした。
精神科経験を活かせる職場3選
| 転職先 | 精神科経験が活きる理由 | 家庭との両立 |
|---|---|---|
| デイサービス・デイケア | 利用者一人ひとりと向き合う丁寧な対話力 | 残業が少なく生活リズムが安定 |
| 精神科特化の訪問看護 | 観察力・傾聴力が信頼関係構築に直結 | 直行直帰・時短勤務の選択肢あり |
| 健診センター・クリニック | スピード感を持ちつつ丁寧な対応力が評価される | 夜勤なし・日祝休みが多い |
精神科病院の仕事がつらくて転職を考えるとき、「精神科訪問看護も同じじゃない?」と思う方もいるかもしれません。
ですが、訪問看護は決められた時間内での関わりが基本のため、「長期間の関わりはあっても、長時間の関わりにはなりにくい」という特徴があります。
そのため、実際に「自分には訪問看護の方が合っていた」と感じる看護師さんもいます。
私が一度精神科を離れて気づいたこと【実体験】
私自身、一度精神科を離れ、ご縁あってまた精神科に戻りました。
私が精神科を離れた一番の理由は、「このままではキャリアが広がらないのでは」という不安でした。
とくに新卒で精神科病棟に配属になったため、技術面に不安を感じ、同じ病院内で整形外科へ異動しました。
異動後は急性期のスピード感や業務の流れが大きく異なり、最初は「自分には合っていないかも」と感じました。
のんびりした性格の私は、当初そのギャップに戸惑いましたが、半年もすると少しずつ慣れ、気づけば“一般科ナース”としての動きにもついていけるようになっていました。
それでも、どこか心の奥で「やっぱり、精神科のあの深い関わりが恋しいな」と思う瞬間がありました。
そして8年後、再び精神科に戻ることに。
5か所も転職して実感したのは、精神科で学んだ「会話力」や「相手の気持ちをくみ取る力」「小さな変化に気付ける力」は、どんな施設に行っても役に立つということ。
いつの間にか、それが私の強みになっていました。

実は育児にもこの経験は生かされていると感じています。育児でも必要とされる「じっくり待つ」ことは、精神科で患者さんから教わりました。
環境を変えるなら「失敗しない戦略」を立てよう

もし今の職場が「閉鎖的」「労働環境が悪い」など自分には合わないと感じるなら、 精神科そのものを否定する前に、「場所を変える」選択を考えてみてください。
⚠️ 焦った転職は、後悔につながりやすい。
私自身、ひとりで転職活動を進め、十分な情報を得ないまま決断してしまった結果、
「妊娠中は働けたものの、出産後は育児との両立が難しい環境」に悩むことになりました
➡関連記事:転職後すぐの妊娠に絶望…看護師が産休・育休を安心して取るために知っておくべき現実
精神科経験を正しく評価してくれる「味方」の選び方

精神科からの転職は、情報戦です。
私は何度も転職して、「自分の価値を言語化してくれる人」がいるかどうかで結果が大きく変わると学びました。
もし今、
✅「辞めるか続けるかを一人で判断するのが難しい」
✅「家庭や育児との両立まで考えた情報がほしい」
そう感じているなら、まずは“情報を集めるだけ”でも十分です。
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よくあるQ&A

Q1:辞めたいけど、同僚に悪く思われないか、引き止められないか心配です。
A1: 退職理由は「家庭の事情」や「自身のキャリアプランの見直し」で誠実に伝えれば問題ありません。誠意をもって伝えた上で、法的な手続きが完了すれば、誰もあなたを引き止めることはできません。辞めることと、自分の人生を守ることは別問題だと思っています。
Q2:次も精神科に転職して大丈夫?
A2: 同じ「精神科」でも、職場環境が変われば雰囲気は大きく変わります。
これまでの経験や「聞く力」などの適性がある方、そして「やっぱり精神科で続けたい」と思う気持ちがあるなら、別の環境にチャレンジするのはとても良い選択です。たとえば、急性期の精神科病棟から外来や訪問看護などへといったように、同じ精神科でも部署を変えるだけで働き方や人間関係の空気感がガラッと変わります。
まとめ|あなたの「聞く力」は、一生手放さなくていい武器

精神科を辞めたいと感じるのは、あなたが弱いからではありません。
それだけ真剣に患者さんと向き合い、感情労働の中で心を削ってきた証拠です。
精神科の仕事は、残業や体力的な負担が少ない一方で、人の感情を受け止め続ける消耗が積み重なりやすい、決して楽な現場ではありません。
✅ 精神科で培った「全人的に関わる力」「聞く力」は、どんな現場でも通用する一生モノのスキル。
✅ 辞めたい理由が「あなた自身」ではなく「環境」にあるなら、領域を去る前に“場所を変える”という選択肢もある。
✅ 辞める・続けるの判断は、焦らず自分軸で。情報不足のまま動かず、プロを味方につけて戦略的に考える。
もし今、心のどこかで「このまま続けるのは違う気がする」と感じているなら、その感覚は無視しなくていいと思います。
時間は限られています。
あなたの優しさや「聞く力」を必要としている場所は、今の職場だけではありません。
一人で抱え込まず、まずは選択肢を知るところから。
あなたの人生を、職場の都合だけで決めなくていいのです。



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