
育休中だけど、復帰せずに転職したいと考えています。
でも、周りに同じ選択をした人がいなくて、リアルな体験談を知りたいです。
育児と仕事の両立を考え始めると、不安で頭がいっぱいになりますよね。
「夜勤が多い」「時短制度が使えない」「理解ある上司がいない」「夫は多忙でほぼワンオペ」
抱える悩みは、家庭環境や職場によって本当にさまざまです。
だからこそ、育休明けの生活を想像して怖くなるのは、決してあなただけではありません。
一方で、保育園の継続利用、育休給付金、職場との関係など、育休中の転職には現実的なハードルも存在します。

今回は、育休中に復帰せず転職を選んだ看護師Aさんのリアルな体験談をもとにお話しします。
この記事では、「育休中に転職した看護師は、その後どうなったのか」を、実体験を交えて丁寧にまとめました。
育休中の転職が「うまくいくケース」と「後悔しやすいケース」。
両方の現実を知ることで、あなた自身が後悔しない選択をするための判断材料になれば幸いです。
育休中の転職は「できる場合もある」けれど、制度と保育園の壁も

結論から言うと、育休中でも転職は不可能ではないです。
しかし、知らずに動くと「保育園退園」「給付金ストップ」などのリスクに直面する可能性があります。
育休中転職の現実まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 転職は可能か | 一般的には制限されていないが、ケースにより異なる(公的機関に確認しておくと安心) |
| 保育園の継続 | 原則「復職」が条件。自治体によっては特例措置あり |
| 退園リスク | 特例措置があれば回避可能(必ず役所に確認が必要) |
| 育児休業給付金 | 退職日で支給終了。次の職場では再取得に条件あり |
つまり「動けなくはないけど、ルールを知らないと損をする可能性がある」というのが現実です。
【実録】育休中に転職した看護師Aさんのリアル体験談

今回お話を伺ったのは、1児のママナース・Aさん(30代)です。
看護師歴は10年以上で、前職も5年程度勤務したとのことです。
実家が遠方でサポートもなく、復帰の不安から転職を決意しました。
育休中に転職を考えたきっかけ

妊娠中から激務が続いていて、『復帰しても続けられない』とずっと感じていました。
夜勤免除はあるけれど月1回は必須。残業も多く、ワンオペ育児では到底無理だと考えていました。
さらに復帰前の面談で上司に「子どもの発熱などで頻繁に休むくらいなら、しばらく復帰しなくていい」と言われたことが、決定打になったそうです。
「制度も理解もない環境で続ける自信がなく、転職を決めました。」と話しておられました。
保育園はどうした?──特例措置を活用

私の自治体では、会社都合で復帰できなかった場合など、復帰特例措置で保育園継続ができました。
上司から言われた「復帰しないで」という内容を証明書として提出し、一定期間内に新しい職場が決まれば退園にならない、という制度でした。
Aさんはその制度を利用し、保育園を維持したまま転職活動を進めました。
まずここでわかるのは、「自治体によって対応が異なる場合がある」ということです。そのため、事前に市区町村などの公共機関へ確認しておくと安心です。
転職後の変化(Before→After)
Aさんに、転職して変わったことと、転職しなかったらどうなっていたか、聞いてみました。
| 項目 | 激務ナース時代(Before) | 転職後(After) |
|---|---|---|
| 働き方 | 月残業20時間以上、復帰後も夜勤の完全免除なし | 残業ほぼゼロ、時短勤務で17時退勤 |
| 職場の雰囲気 | 「熱が出たらどうするの?」と言われた | 「お互い様」と言ってくれる仲間 |
| 気持ちの変化 | 毎日焦燥感に追われて子どもに優しくできない | 心に少しゆとりが生まれ、家でも笑顔が増えた |
良かったことと後悔していること

理解ある職場に出会えたことで、実家が遠くても育児と仕事を両立できています。
ただ、前の職場に申し訳なさもあり、『少しだけでも復帰してから転職すべきだったかも』と、今も思うことがあります。
保育園の特例措置を使えたとはいえ、復帰実績がない状態での転職は不安も大きかったそうです。
➡関連記事:ママナースが働きやすい職場は?精神科で叶えた“ゆとりある毎日”【体験談】
「一度復帰してから転職」をおすすめする理由

Aさんの体験からもわかるように、育休中の転職にはリスクが伴います。
もし可能なら「一度復帰してから動く」方がスムーズな場合が多いです。
Aさんが思う、復帰してから転職する4つのメリット
- 保育園が安定:退園リスクが少なくなる
- 転職が多少有利:離職期間が空かないことで、希望する職場に採用されやすくなる可能性がある。
- 人間関係が円満:お世話になった同僚や先輩に感謝を伝えるチャンスがある
- 給付金を満額受け取れる:経済的に安定

「もう戻りたくない」と思うような職場でも、長く勤めていると恩義を感じるもの。Aさんは、せめて1日だけでも復帰して、直接感謝の気持ちを伝えたかったと話していました。
それでも復帰せず転職したい場合のポイント
✅自治体に確認:特例措置があるかどうか必ず市区町村などの公共機関へ相談を
✅証明書を活用:職場から不当に復帰させないような動きなどがあれば活用を検討(Aさんの自治体では職場記載ではなく自分で書けばOKだったそう)
✅転職エージェントを頼る:保育園や育休の知識がある担当者がいる転職サイトに登録
育児をしながらの転職活動は、想像以上に大変ですよね。
ですが最近は、LINEやメールだけでやりとりが完結する転職サイトも増えています。
電話対応に追われることなく、制度の細かな疑問や小さな不安も気軽に相談できたことで、無理のないペースで転職活動を進めることができたとAさんは話していました。
結果的に、ストレスを最小限に抑えながら転職を実現できたそうです。
➡関連記事:【実は超優秀】“かゆいところに手が届く”!ママナースにおすすめ転職サイト4選
同じように悩んでいるママナースへAさんからメッセージ

職場が合わなかったり、激務に疲れてしまったりすると、育休中に「このまま復帰せずに転職したい」と考える方は少なくありません。
私自身、前の職場でもそんな声を何度も耳にしてきました。
ただ実際には、育休中に転職まで踏み切った人は意外と少なく、出産を機に退職したケースのほうが多かった印象です。でも辞めてしまうと経済的に厳しい場合もありますよね。
もし可能であれば、私は「ほんの短期間でも復帰してから転職を考える」という選択肢もおすすめしたいと思っています。
保育園の継続、職場への恩義、そして「やれることはやった」という気持ち。
それらを整理した上で決断したほうが、後から振り返ったときに後悔が残りにくいからです。
どんな選択が正解かは人それぞれですが、無理のない形で育児と仕事を両立できる道を、ぜひあなたのペースで選んでほしいと思います。
Aさんは今はゆとりを持って働けているので、転職自体に後悔はないと話していました。
ただし、「育休中の転職」という少し特殊なケースでは、制度やルールを理解したうえで慎重に進めることが大切です。
そうでないと、「前の職場に申し訳ない」と感じてしまうこともあるようです。
確かに看護師は転職先が比較的見つかりやすい職種ですが、「立つ鳥跡を濁さず」という姿勢は、結果的に自分の心にも良い影響を与えてくれるのかもしれません。
Aさんにインタビューした帰り道、私自身も「自分は丁寧に職場を離れられていただろうか」と、静かに振り返りました。
まとめ:転職は「逃げ」じゃない。あなたのリスタート

育休中の転職は“難しいけど不可能ではない”選択です。
Aさんのように勇気を出して動くことで、笑顔で働ける未来をつかむこともできます。
ただし、保育園・給付金・職場との関係など、考えるべき点は多いもの。
まずは情報を集めて、「どうすれば後悔しないか」を整理するところから始めてみてください。



コメント