
不妊治療と仕事を両立したいけれど、看護師の仕事は急に休みにくい。転職するなら、どんな職場を選べばいいんだろう?
不妊治療と看護師の仕事を両立したいと思っても、通院日が直前まで読めないことや、人手不足で休みにくい現場に悩み、転職を考える方は少なくありません。
「夜勤がない職場なら続けやすい?」「クリニックや精神科なら両立しやすい?」「面接では不妊治療のことを伝えるべき?」――そんなふうに悩みながら、求人票を見ても決めきれない方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、不妊治療と仕事を両立しやすいかどうかは、「休みやすい体制」で決まります。

筆者は、現役ママナースです。転職は6回目、不妊治療中と育休中の転職を経験しました。
実は私自身、不妊治療と両立しやすそうだと思って転職した先で、看護師ママが一人もいない職場を選んでしまい、後から大きく後悔した経験があります。
転職してすぐに妊娠が分かり、産休・育休は取得できました。ですが、本当に大変だったのは、育休復帰を現実的に考え始めたときです。
- 子どもの急な発熱で休んだら、誰がカバーするのか
- 看護師が少人数の職場で、本当に働き続けられるのか
- 制度はあっても、実際に両立している人がいない職場で大丈夫なのか
この経験から痛感したのは、不妊治療中の転職で本当に見るべきなのは、「楽そうな診療科」ではなく、「急な休みや通院に対応できる職場かどうか」だということです。
この記事では
- 不妊治療と仕事を両立しやすい転職先の選び方
- 休みやすい職場を見極めるために見るべきポイント
- 求人票や面接ではわかりにくい「働きやすさ」の確認方法
についてわたしの体験談をもとに解説していきます。
「今は不妊治療を優先したい。でも、看護師としての仕事も簡単には辞められない」そんな方が、転職で後悔しないための判断軸がわかる記事を目指しました。
自分に合う働き方を見つけたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
面接で不妊治療や妊活のことをどこまで伝えるべきか迷っている方は、こちらの記事で判断の考え方をまとめています。
➡関連記事:妊活中に転職してもいい?看護師が面接で悩む「伝える・伝えない」の判断基準【体験談】
不妊治療と仕事を両立したい看護師が転職先を見るときの結論

結論からお伝えすると、不妊治療と仕事を両立しやすい転職先を選ぶうえで大切なのは、診療科よりも「休みやすい体制」があるかどうかです。
「精神科なら働きやすそう」「慢性期なら落ち着いていそう」と感じることもありますが、不妊治療中の働きやすさは、診療科だけで決まるものではありません。
不妊治療中の看護師が転職先を選ぶときは、次の3つを優先して確認するのがおすすめです。
- 急な通院や休みに対応できる人員体制があるか
- 看護師ママが一定数いて、長く働き続けられているか
- 制度だけでなく、産休・育休からの復帰実績があるか
この3つがそろっている職場は、妊活・不妊治療・妊娠・出産まで見据えたときにも、無理なく働き続けやすい傾向があります。
診療科より「休みやすい体制」を優先する
私自身もそうでしたが、不妊治療中の転職では、つい「身体的に負担が少なそうな診療科」や「残業が少なそうな職場」に目が向きがちです。

もちろん、働きやすさは大切です。ただ、不妊治療と仕事を両立するなら、急な通院や休みが出ても職場が回るかどうかも同じくらい重要です。
たとえば、業務自体は落ち着いていても、看護師が1〜2人の少人数体制で回している職場では、通院のたびに休みづらさを感じやすくなります。
反対に、忙しい職場でも看護師数が多く、急な欠勤をフォローし合える体制がある場合は、不妊治療中だけでなく、その後の妊娠・出産・育児まで見据えても働きやすいことがあります。
不妊治療中の転職で見るべきポイントは「看護師ママの在籍率」と「定着率」
不妊治療と仕事の両立を考える看護師にとって、職場選びで大きなヒントになるのが、看護師ママの在籍率と定着率です。

6回の転職活動を通して感じたのは、看護師ママが複数いる職場ほど、子どもの体調不良や急な早退などを「特別なこと」ではなく、ある程度想定されたこととして受け止めている場合が多いということです。
さらに大切なのは、在籍しているだけでなく、看護師ママたちが辞めずに働き続けられているかです。
長く働く看護師ママがいる職場は、制度があるだけでなく、突発的な休みやライフステージの変化にも対応しやすい体制が整っている可能性があります。
制度の有無より「実際に使われているか」を見る

求人票に「産休・育休制度あり」と書かれていても、それだけで両立しやすい職場とは言い切れません。大切なのは、制度があることよりも、その制度を実際に使っている人がいて、復帰後も働き続けられているかです。
たとえば、「制度はあるけれど、復帰した人がほとんどいない」「復帰しても早い段階で辞めてしまう」という職場は、実際には両立しづらい可能性があります。
不妊治療中の転職では、制度の有無だけを見るのではなく、実際にその職場で両立している人がいるかまで確認することが大切です。
不妊治療中の看護師が転職先を選ぶときに確認したい3つのポイント


ここからは、不妊治療と仕事を両立したい看護師が、転職前に確認したいポイントを、筆者の体験もふまえながら具体的に紹介します。
1. 看護師の人数が少なすぎないか
看護師が1〜2人しかいない職場では、業務が落ち着いていても、誰かが休んだときのしわ寄せが大きくなりやすいです。
不妊治療は通院日が直前まで確定しないことも多いため、少人数体制の職場ほど、休みの相談がしづらく、心理的な負担も大きくなりやすいと感じます。
2. 急な休みをカバーできる体制があるか
通院だけでなく、妊娠後や出産後まで見据えると、急な休みに対応できる体制があるかどうかはとても重要です。
配置調整や応援体制がある職場では、「誰かが休むと現場が止まる」という状況になりにくく、長期的に見ても働きやすい傾向があります。
3. 産休・育休後の復帰実績があるか
不妊治療中の転職は、今の通院のしやすさだけでなく、その先の妊娠・出産・育児まで含めて考えることが大切です。
そのため、産休・育休を取った人が実際に復帰しているか、復帰後も継続して働いているかは、ぜひ確認したいポイントです。
休みやすさを重視したい看護師に向いている転職先の候補


ここでは、不妊治療と仕事を両立したい看護師が、休みやすさの観点から検討しやすい転職先の候補をわたしの体験談の中から紹介します。
もちろん、住んでいる地域やこれまでの経験によって選びやすい職場は変わりますが、急な通院や休みに対応しやすい体制があるかという視点で見ると、参考にして頂けると思います。
看護師数の多い精神科病院
休みやすさを最優先に考えるなら、まず候補に入れたいのが、看護師数の多い精神科病院です。
病院は忙しいイメージがありますが、看護師数が多い分、急な休みや配置調整に対応しやすい職場もあります。
さらに精神科病院は、職場によって差はあるものの、一般科と比べて残業が少なめな傾向があり、生活リズムを整えやすいと感じる方もいます。
特に、看護師ママが複数在籍している病院では、通院や子どもの体調不良にも一定の理解が得られやすく、フォローし合う前提ができている場合があります。

私自身、過去に勤務していた精神科病棟でも、看護師ママに配慮しながらお互いに協力して勤務していたことが印象に残っています。こうした空気感のある職場は、不妊治療中の看護師にとっても安心して働きやすい環境になりやすいです。
精神科看護師の働きやすさについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
➡【実体験】精神科看護師は働きやすい?ママナース・妊活ナースにおすすめな理由と転職で後悔しない注意点を解説
母体が大きい法人のデイサービス
「総合病院の忙しさにはもう戻れそうにない」と感じる方にとっては、母体が大きい法人のデイサービスも選択肢のひとつです。
複数拠点を持つ法人では、応援やヘルプ体制が整っていることがあり、個人経営の事業所よりも相談しやすいケースがあります。
病院と比べると業務内容が比較的落ち着いていることも多く、生活リズムを整えやすい点も魅力です。

ただし、事業所によっては「午前中のレクの時間帯はいてほしい」など勤務上の制約がある場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
フォロー体制のある精神科訪問看護ステーション
管理者や他スタッフがフォローに入れる仕組みがある精神科訪問看護ステーションは、急な休みが必要になったときの負担を減らしやすいです。

私は現在、精神科訪問看護で働いていますが、フォロー体制が整っていて残業も少ないため、家庭との両立がしやすいと感じています。不妊治療をしていた時期でも、こうした職場なら続けやすかっただろうと思います。
また、移動手段が車中心の職場は、電動自転車での移動が多い職場と比べて、体調面に配慮しやすい場合があります。
看護師ママが実際にどんな職場で働きやすさを感じているのか知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください👇

求人票や面接で内部事情を見抜く方法

不妊治療と仕事を両立しやすい職場かどうかは、求人票だけでは見えにくいことも多いです。
転職活動を重ねる中で、私が実際に確認するようになったのは、次のような点です。
✔ 直近の産休・育休の取得状況や復帰実績
✔ 看護師ママがどの程度在籍しているか
✔ 急な休みが出た場合、どのようにフォローしているのか
求人票にある「アットホームな職場」という表現だけでは、不妊治療と仕事を両立しやすいかどうかまでは判断しにくいと感じています。
見た目の条件よりも、実際に現場がどう回っているかを確認することが、転職後の後悔を減らす近道です。

こうした情報は、求人票や公式サイトだけでは分かりにくく、自分ひとりで調べるには限界があります。わたしは転職サイト3社に登録し、転職エージェントに相談しながら情報を補足していく方法で転職活動をしました。
エージェントを通せば、自分では聞きにくい内容も代わりに確認してもらえることがあります。
看護師転職サイトに登録するか迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。
➡看護師転職サイトを使わない方がいい?【結論】6回転職活動してわかった正しい使い方
【体験談】精神科クリニックへの転職で気づいた「診療科より体制が大事」ということ

ここまでお伝えしてきた「診療科よりも、休みやすい体制が大事」という考え方は、私自身の経験を通して強く実感したことでもあります。
私は不妊治療との両立を考え、身体的な負担が少なく、残業も少なそうな精神科クリニックへ転職しました。
当時は「精神科なら、無理なく働き続けられるかもしれない」と思っていましたが、実際には想像していなかった壁がありました。
働きやすくても、少人数体制の限界を感じた
転職してすぐに妊娠が分かりましたが、院長の配慮で産休・育休は取得できました。
ただ、本当に壁を感じたのは、育休復帰を現実的に考え始めたときです。

職場には私以外にママナースがおらず、看護師の人数も必要最低限でした。そのため、子どもの急な発熱で休んだときに誰がカバーするのか、私が休むことで現場に大きな負担をかけてしまわないか、といった不安が強くなっていきました。
「制度があること」と「働き続けられること」は別だった
産休・育休の制度があり、理解のある院長がいても、それだけで安心して復帰できるとは限りませんでした。
制度があることと、実際に急な休みや育児と両立しながら働き続けられることは、まったく別の問題だと感じたからです。
この経験から私は、どれだけ「働きやすい診療科」と言われていても、急な休みに対応できる体制が整っていない小規模な職場では、長く両立し続けるのは難しいと実感しました。
よくあるQ&A:不妊治療と転職の不安

Q. 転職してすぐに不妊治療を始める(または妊娠する)の迷惑でしょうか?
A. 私自身も同じ状況を経験しましたが、正直なところ、職場に少なからず負担がかかる場面はあります。ただ、女性のキャリアとライフステージは切り離せるものではありません。大切なのは「失礼かどうか」よりも、万が一のときに相談できる環境かどうか、そして職場の風土がどうかだと感じています。看護師ママが一定数在籍している職場や、管理職・代表者が事情を理解している職場では、お互いに支え合う前提で受け止めてもらえるケースもあります。

転職活動をした中で「これまでに妊娠中の看護師を採用したことがある」と話してくださった事業所にも出会いました。人手不足の現場の中には、「今の状況」だけで判断するのではなく、将来的に長く現場を支えてくれるかどうかという視点で人材を見ている事業所もあるのだと、実感しています。
Q. 精神科は不妊治療と両立しやすい診療科ですか?
A. 身体的な負担が比較的少ないという点では、両立しやすい側面はあると感じています。
ただし、私の体験から言えるのは、クリニックや少人数体制の職場では、通院や急な休みへの対応が難しくなる場合があるということです。選択肢としては、ある程度規模のある精神科病院や、チーム制を取り入れている訪問看護ステーションなどが、バランスを取りやすいケースもあると感じています。
Q. 面接で不妊治療のことは伝えたほうがいいのでしょうか?
A. これは本当にケースバイケースです。
ただ、何も伝えずに入職してから一人で抱え込んでしまうよりも、「将来的に子どもを希望しているため、急な通院が必要になる可能性があるのですが、相談できる環境でしょうか」といった形で、働き方について確認するのも一つの方法だと感じています。その時点で難しさを感じる場合は、入職後も両立が厳しくなる可能性があります。
まとめ|「今」だけでなく「その先」まで見据えた職場選びを

不妊治療と看護師の仕事。
どちらも大切にしようとすればするほど、どこかで無理をしてしまう瞬間は、どうしても出てきます。
それでも、私自身の経験を通して、転職先の選び方しだいで避けられたかもしれない後悔があることにも気づきました。
最後に、今回の記事の要点をまとめます。
- 「楽そうな科」「楽そうな仕事内容」というイメージだけで判断しない
- 看護師ママの在籍数と、長く働き続けられているかを見る
- 制度の有無よりも、「実際に現場が回っているか」を重視する
- 内部事情を知るための手段として、転職サイトを活用する
不妊治療と仕事を両立したいなら、診療科よりも「休みやすい体制」があるかどうかを優先して見ることが大切です。
私のように、復帰後に後悔してまた一から転職活動をすることにならないよう、今のうちから妊活・妊娠・出産・育児まで見据えた職場選びをしてほしいと思っています。
今の迷いや苦しい選択は、未来のあなた自身と、あなたの大切な家族を守るための準備でもあります。
不妊治療中の転職で、面接でどこまで伝えるべきか迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。
➡妊活中に転職してもいい?看護師が面接で悩む「伝える・伝えない」の判断基準【体験談】


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