転職が決まってすぐ妊娠した看護師が振り返る「踏みとどまる選択」もあったという話

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※本記事は、筆者の看護師としての経験や取材をもとに執筆したもので、ママナースや妊活中のナースの方がより自分らしく働けるよう「情報提供」を目的としています。医療・妊活・転職などの重要な判断を行う際は、必ず医療従事者や専門家、公的機関などにご相談のうえご判断ください。
記事内容は特定のサービスや医療行為を推奨するものではありません。

妊活・妊娠・キャリア

結論からお伝えします。

転職が決まってすぐの妊娠は、努力や準備ではどうにもならない
「運」に大きく左右されます。
そして場合によっては、転職するより「今の職場で踏みとどまる」方が、結果的に自分を守れる選択になることもあります。

悩む看護師
悩む看護師

転職して心機一転、頑張ろうと思った矢先に妊娠が判明……これって、職場に迷惑すぎるよね?その場合新しい職場で産休・育休は取れるの? お金のことも、周りの目も不安でしかない…

転職と妊娠。

どちらも本来は喜ばしいはずの出来事が重なったとき多くの看護師が感じるのは、喜びよりも強い不安や罪悪感ではないでしょうか。

私自身、転職が決まり、勤務開始まであと1週間というタイミングで妊娠が分かりました。

すでに前職の退職も決まっており、もう後戻りはできない状況。正直に新しい職場へ伝えるしかありませんでした。

幸いにも院長の人柄に恵まれ、産休・育休は取得できました。

それでも後になって何度も、「あのとき、転職せずに踏みとどまっていれば……」と考えてしまいました。

なぜなら、転職直後の妊娠には、実際に経験してみて初めて分かった見えにくい負担やリスクがいくつもあったからです。

項目転職直後の妊娠前職に踏みとどまった場合
有給休暇日数が少なく、体調不良=欠勤になりやすい付与日数が多く、急な休みにも対応しやすい
給付金給与ダウンにより支給額が下がる可能性これまでの給与実績が反映されやすい
心理的負担「まだ何も貢献できていないのに休む」罪悪感これまでの勤務実績が心の支えになる

私は、入社時に妊娠していても「産休を取らせてもらえた」という、かなり恵まれたケースだったと思います。

それでも、給与が下がったことで手当は減り、代わりのいない現場への申し訳なさに押しつぶされ、育休復帰を前に大きな壁に直面しました。

そして結果的に、また転職活動をすることになりました。

この記事では、そんな私の経験をもとに、

✅転職直後の妊娠で直面した「お金」と「休み」の現実
✅実は「踏みとどまる選択」が向いている人の特徴
✅もし転職後すぐに妊娠してしまった場合の後悔を減らす考え方

を、きれいごと抜きでお伝えします。

はづき
はづき

実際に経験してみて、転職と妊娠には正解があるわけではないと感じました。

私自身、「転職すれば何とかなる」「きっと救われるはずだ」と思い、勢いで環境を変えました

けれど時間が経つにつれて、あのときは別の選択肢もあったのかもしれない、と振り返るようになりました。

今、同じように悩んでいる方や、不妊治療中で転職を考えている方へ。

せっかく授かった命を、お金の不安や職場への申し訳なさで曇らせてしまわないために——この先を、ぜひ読んでみてください。

➡関連記事:転職後すぐの妊娠に絶望…看護師が産休・育休を安心して取るために知っておくべき現実

妊娠してすぐ転職した私が痛感した「積み上げたものが消える瞬間」

妊活中・不妊治療中の看護師にとって、転職直後の妊娠は、「環境が変わる」以上に、「これまで積み上げてきた権利や安定が一度リセットされる出来事」になることがあります。

私にとって、不妊治療中の転職は決して軽い決断ではありませんでした。

むしろ、「このままでは続けられない」と感じた末の、前向きな選択だったと思っています。

前職では、妊活と仕事の両立に限界を感じ、一度は休職も経験しました。

それでも復職し、もう一度頑張ってみようと自分なりに踏ん張ってきました。

それでも、「この働き方に意味はあるのだろうか」「理想の環境に移れば、今度こそ両立できるのではないか」そんな思いを抱えながら、悩み抜いた末に決めた転職でした。

しかし、新しい職場での勤務開始を目前に控えた1週間前、妊娠が判明します。

はづき
はづき

「どうしてこんなタイミングで……」そう思って涙が止まらなかった日のことは、今でも忘れられません。

その瞬間、私は初めて「前職に踏みとどまる」という選択肢の重みを、現実として突きつけられました。

なぜなら、転職したその時点で、それまで当たり前のように持っていた有給休暇や勤務実績、周囲との信頼関係が、一気にゼロからのスタートに戻ってしまったからです。

私が実際に直面した「3つのリセット」

有給休暇のリセット
入職直後は有給がほとんどなく(私の場合は6か月後に付与)、つわりで体調が優れない日も欠勤扱いになりました。
収入が減る不安に加え、「また休んでしまった」という気持ちが重なり、精神的に落ち込むことがありました。
出産手当金・育児休業給付金への影響
転職によって給与条件が変わったため、給付金の算出基準となる金額も下がり、想像していたより手当が少なくなる現実に直面しました。
✅「代わりがいない」ことによる精神的な負担
少人数の職場で、育児をしている看護師もいない環境への転職。さらに、まだ十分に貢献できていない時期だったこともあり、「自分が抜けたら現場が回らないのではないか」という思いが、常に頭から離れませんでした。
その結果、素直に妊娠を喜べない瞬間もあったのが正直なところです。

はづき
はづき

「今の職場が限界だから」という理由だけで動いてしまうと、授かったあとに、自分自身がいちばん苦しくなる可能性もある。
これは、実際に経験して初めて気づいた、私にとって大きな学びでした。

転職を決める前に、一度だけ立ち止まって考えてほしいこと

不妊治療中の転職が、必ずしも悪いわけではありません。

ただ、妊活中や妊娠の可能性がある時期だからこそ、「今すぐ辞める」以外の選択肢も、一度言葉にして整理してみてほしいと感じています。

妊活中は、心も体も余裕がなくなりやすく、「ここから抜け出したい」「環境を変えたい」という気持ちが強くなりがちです。

私自身も当時は、「転職するしか道はない」と思い込んでいました。

けれど、不妊治療中に実際に転職してみて、初めて気づいたことがありました。

✅制度は、前の職場のほうが整っていたと後から気づいた
✅人間関係は、異動で解決できたかもしれない
✅忙しかったけれど、今思えば守られていた環境だった

    紙に書いてほしい4つのセルフチェック

    転職を決める前に、ぜひ一度、紙に書き出して考えてみてください。

    今の職場がつらい理由は何か?
    業務量、人間関係、将来への不安など、原因はどこにあるか。
    異動や勤務形態の変更で解決できる可能性はないか。
    出産後に転職する選択肢は、本当に残っていないか?
    出産してから改めて考える余地はないか。
    職場以外に、相談できる相手はいるか?
    不妊治療は、あなただけの問題ではありません。
    特にパートナーと、金銭面や生活面について共有できているか。
    ✔転職について、第三者に相談できているか?
    不妊治療中という特殊な状況で、転職先選びや決断を一人で抱え込むのは、とても負担が大きいものです。
    私自身、誰にも相談せずに決断し、結果として後悔が残りました。

    これは「我慢しなさい」というチェックではありません。

    もし今の私が、あの頃に戻れるとしたら――「転職」という選択肢だけで、この苦しさを何とかしようとしていなかったかを、もう一度だけ立ち止まって見直すと思います。

    そのために、自分自身に問いかけてほしいことをリストにしました。

    必要なところだけで構いませんので、参考にしてみてください。

    ➡関連記事:【妊活で仕事を辞めるしかない?】不妊治療1年・休職までした看護師の結論

    「絶対に後悔しない」と思って転職した私が、今伝えたいこと

    何度もお伝えしていますが、妊活中の転職に「これが正解」という答えはありません。

    ただ一つ感じているのは、自分の中で大切にしたい軸が曖昧なまま転職すると、後から必ず苦しくなるということです。

    私が再び転職活動をしている理由

    転職先のクリニックの院長は、とても理解のある方でした。

    入社時点ですでに妊娠していた私を受け入れてくださり、産休・育休についても、制度としてきちんと取得させてもらうことができました。

    それでも私は、育休復帰を前に、再び転職活動をしています。

    理由は、とても現実的なものでした。

    ✔突発的な休みに対応できない少人数体制
    ✔休むたびに「迷惑をかけている」と感じてしまう構造
    ✔現場に物理的な余裕がないこと

    人が優しいことと、育児をしながら長く働き続けられることは、必ずしも同じではありませんでした。

    妊活中に転職を考えるなら、「今の働きやすさ」だけでなく、子育てが始まった後の現実まで想像することがとても重要だと感じています。

    振り返ると、これらはすべて、誰にも相談せず、ひとりで決断してしまった結果だったと今は思います。

    はづき
    はづき

    現在の私は、複数の転職サイトに登録しながら、育児中の看護師ママが無理なく働き続けられる環境を、時間をかけて探しています。

    これまで転職を6回経験し、過去にはエージェント選びで失敗したこともありました。

    それでも、妊活中や育児中など事情が複雑な時期だからこそ、内部の情報を客観的に教えてもらえる存在は心強いと感じています。

    最近は、以前のような強い押し売りや過剰な連絡も少なく、それぞれの立場から冷静な情報をもらえる場面が増えました。

    不妊治療中の転職は、心身ともに負担が大きいものです。

    一人で抱え込まず、誰かの視点を借りながら進めることも、大切な選択肢の一つだと思っています。

    ➡関連記事:看護師転職サイトを使わない方がいい?【結論】6回転職活動してわかった正しい使い方

    読者のあなたへ伝えたいこと

    この記事は、「我慢してください」と伝えたくて書いているものではありません。

    つらいなら、逃げてもいい。環境を変える選択も、決して間違いではありません。

    ただ、「逃げた先」で、今よりもっと苦しくならないために、今の感情だけでなく、

    ✅1年後の自分はどう働いていたいか
    ✅お金の現実と、生活への影響
    ✅赤ちゃんや家族と、どんな毎日を送りたいか

    ここまで含めて、一度だけ立ち止まって想像してみてほしいと思います。

    よくあるQ&A|妊娠してすぐ転職した看護師の不安

    Q. 妊娠してすぐ転職するのは、やっぱり損なのでしょうか?
    A. 一概に「損」とは言い切れませんが、転職によって給与が下がった場合、育児休業給付金の金額も下がる可能性があります。
    そのため、経済面だけを見ると、前職に踏みとどまったほうが安心できるケースも多いのが現実です。

    Q. 転職先に妊娠のことを伝えるのが怖いです。
    A. 私自身も、勤務開始直前に妊娠が分かり、正直とても不安でした。
    それでも、誠実に状況を伝えるしかありませんでした。もし、その時点で受け入れが難しい反応をされる職場であれば、産後や育児との両立も、結果的に苦しくなる可能性が高いと感じています。

    Q. 妊娠が分かったあと、転職をやめるのは非常識ですか?

    A. 非常識ではありません。

    状況によっては、「踏みとどまる」判断のほうが、結果的に自分を守れるケースもあります。たとえば、
    ✅まだ転職先に正式な入社連絡をしていない(退職の話もしていない)
    ✅内定承諾前、もしくは勤務開始までに時間がある
    ✅前職で産休・育休を取得できる可能性が高い
    こうした状況であれば、無理に転職を進めず、一度立ち止まる選択も現実的だと思います。

    まとめ|妊娠してすぐ転職した経験から伝えたいこと

    「転職が決まっているのに妊娠してしまった。なんて非常識なんだろう」かつての私は、そうやって何度も自分を責めていました。

    でも今なら、はっきり言えます。

    妊娠も転職も、どちらも責められるべきことではありません。

    この経験を通して、私が大切だと感じたことをまとめます。

    ✔「楽そうな職場」よりも、その後も支え合えるフォロー体制があるか
    ✔転職は前進である一方で、制度や積み上げた権利がリセットされる側面もある
    ✔一人で抱え込まず、パートナーを巻き込んで家庭としての軸を決めること

    この記事は、今の職場に無理にとどまることを勧めるものでも、転職そのものを否定するものでもありません。

    ただ一つ、「妊娠してすぐ転職し、誰にも頼れず一人で苦しむ看護師さん」を減らしたい

    その思いで、私自身の失敗と迷いを正直に書きました。

    あなたが自分を責めることなく、今のあなたにとっての「最善の選択」を、静かに選べますように。

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